事例概要

海外自社工場から日本の物流拠点への食品原料輸送において、パレット化による積載効率低下と高額なパレット費用に課題を抱えていた食品メーカー様の事例です。
リターナブル用樹脂製パスボーダーの導入により、効率的な輸送体制の構築を実現いたしました。

対象業種
食品製造業(食品原料)
輸送ルート
海外自社工場 → 日本物流拠点
取扱商品
紙袋梱包の食品原料
プロジェクト結果
輸送テスト進行中
🔬 輸送テスト進行中

お客様が抱えていらっしゃった課題

海外自社工場から日本への食品原料輸送において、パレット化を検討されていましたが、従来の木製パレットやプラスチックパレットでは様々な問題が生じていました。
食品原料という特性上、衛生面や コスト面での制約も大きな課題となっていました。

⚠️ パレット化における複合的課題

📉
積載効率の大幅低下
パレット化により積載量が20%減(15段積み→12段積み)となってしまい、輸送コストの大幅な増加が避けられませんでした。食品原料という特性上、効率的な輸送が収益性に直結するため、この積載効率低下は深刻な問題でした。
🚫
食品原料輸送の制約
食品原料輸送に木製パレットは衛生上NGでした。ワンウェイ用プラスチックパレットも検討しましたが、高価すぎて現実的ではありませんでした。食品安全基準を満たしながら経済性も確保する必要がありました。
🔧
シートパレット検討時の問題
シートパレットも検討しましたが、1)プッシュプル装置が高価で全拠点への配備が困難、2)操作が複雑でリフト運転員に負担、3)専用化により増車が必要、という3つの問題が浮上しました。

課題解決への取り組みプロセス

従来のパレット選択肢では解決できない複合的な課題に対し、リターナブル用樹脂製パスボーダーという革新的なソリューションをご提案いたしました。
食品原料輸送の特殊性を考慮した、包括的な解決策の検討を行いました。

1
課題分析
積載効率、衛生性、コスト面での制約を総合的に分析
2
ソリューション提案
リターナブル用樹脂製パスボーダーの特性検証
3
現場対応策
ハイ付けとトップカバー最適化による課題克服
4
輸送テスト
実用化に向けた輸送テストを進行中

ご提案したソリューション

🔄 リターナブル用樹脂製パスボーダー

従来のパレット選択肢では解決できない複合的課題に対し、リターナブル用樹脂製パスボーダーをご提案いたしました。

このソリューションにより、積載効率の改善、国際パレット循環の低コスト化、専用フォーク爪による操作性向上を同時に実現します。

食品原料輸送に適した衛生性を保ちながら、経済性も確保できる画期的なシステムです。

期待される効果

リターナブル用樹脂製パスボーダーにより、以下の効果が期待されます。
輸送テストにより実用性を検証している段階です。

項目 従来の課題 パスボーダーの効果 期待される改善
積載効率 20%減(15段→12段積み) 7%減で収まる(14段積み:7段×2) 積載効率大幅改善
パレット循環コスト 高額な海外返送費用 返送コストが10分の1に圧縮 低コスト国際パレット循環
設備投資 プッシュプル装置の高額費用 数分の1程度の価格で全拠点配備可能 専用フォーク爪による問題解消
作業性 複雑な操作とフォーク専用化 慣れれば問題なし、一般パレットも扱える リフト稼働維持が可能

パスボーダー活用の重要ポイント

パスボーダーを効果的に活用するためには、下段側貨物天面の平面性が重要となります。
お客様では以下の対応により、この課題を克服できると考えられています。

ハイ付けの工夫

海外自社工場の物流現場と協議し、貨物天面の平面性が確保できるよう現場サイドの協力が得られました。

効果:下段側貨物の天面を平らに保つことで、上段のパスボーダーが安定して設置できるようになります。

トップカバーの最適化

当初は安価な素材の使い捨てを検討していましたが、作業性を優先し十分な厚みのプラシートに変更しました。

効果:パスボーダー本体の返送に同梱できるため、コスト回収も見込めます。作業性と経済性の両立を実現します。

同時期に検討した他のお客様の事例

同じ時期に、別のお客様からもご相談をいただいておりました。しかし、すべてのお客様で同様の成功を収められたわけではありません。
成功要因と制約要因を明確にすることで、より適切なソリューション選択が可能になります。

🔄 顧客D様:海外別法人からの調達

検討結果:検討継続

理由:貨物天面の平面性が確保できないため、40ftコンテナ内平積みとするために1,200kg/パレットにハイ付けを変更してコスト吸収に努めましたが、許容できるコストアップに収まりませんでした。

現在の対応:20ftコンテナ内段積みできるようパスボーダーを改良中です。

この事例から学んだこと:貨物特性とコンテナサイズの組み合わせにより、最適なソリューションは変わります。
現場の制約を十分に考慮した設計が重要です。

手荷役解消が必要になったら、まずはご相談ください

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